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ひょんなことから,出版社の方に頼まれて書評を書きました.今年(2018年)の春発売された,日本大学教授の鈴木圭さんがお書きになった「橋梁デザインの実際」(コロナ社)についてです. 書いていたときに盛り上がっていたサッカーのロシアワールドカップに引きづられる形で,(若干大衆的過ぎかなと思いつつ)ここ20年で強くなったサッカーの日本代表を引き合いに出しながら,日本の橋梁デザインの行先を偉そうに書いてみました.ご笑覧頂ければ幸いです. レビュー「橋梁デザインの実際 - その歴史から現代のデザインコンペまで -」 本書のレビューの執筆依頼を頂いたのは2018年5月,ロシアでサッカーのワールドカップが始まろうかという時だった.南ドイツに住む私は,大会前最後の日本代表の試合が近所のインスブルックで行われると聞いて,応援しに行くことにした.スタジアムまでの車を走らせながら,ふと,どうすればもっと日本の橋梁デザインが良くなるかを考えていた.とある世界的なスターエンジニアという「個」が,長崎に美しい歩道橋を架けても,それだけで日本の橋梁デザイン全体が劇的に良くなるわけではない.景観工学の発展とともに,「全体」の底上げは確かにされてきた.しかし,それで世界から注目を受ける美しい橋が日本に次々と生まれてきたかと言えば,そうとは言えない.試合開始のホイッスルの音で,ハッと我に返り,目前のフィールドに目をやる.二十年前から比べれば日本代表は本当に強くなった.聞くところによると,海外リーグでプレーする選手が大半を占めているそうである.高い情熱と志を持って,リスクを恐れず海外で挑戦する.これは「個」についての話.一方,大会直前での代表監督解任のニュースが話題になったが,つまるところこの騒動の争点は,継続的な哲学の欠如,ひいては将来的なビジョンの欠如うんぬんであったように思う.これは「全体」についての話.個と全体が絡み合いながら,日本代表はここまで強くなってきたのであろう.ところで,「個」と「全体」の関係性と言う意味では,橋梁デザインでも同じことが言えるのではないか,と思い至ったのは,試合終了間際,香川選手がダメ押しのシュートを決めた時だった...(つづきはコロナ社HPにて) 本は,もちろん良書でお薦めです. アマゾン : 橋梁デザインの実際- その歴史から現代のデザインコンペまで - ...
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