Foto: Wiebke Loeper, Berlin www.dbz.deより |
2010年8月号の建築雑誌Deutsche Bauzeitschrift (DBZ)は橋特集でした.同僚が手伝ったため,一冊おすそ分けがきたのだけど,非常に面白かった.特集の扉ページが上のヨルク・シュライヒ(Jörg Schlaich)とマイク・シュライヒ(Mike Schlaich)のツーショット.(ちなみに背景はシュライヒ設計のベルリン中央駅の鉄道橋.)
ヨルク・シュライヒが教授を退官したのが,2000年.同じ時期に事務所の経営もマイクを含む若きパートナー4人に譲り渡したはず.マイク・シュライヒがベルリン工科大学で教授になったのが2004年.
公式の場で二人だけの写真というのはおそらく初めてで,個人的にはマイク・シュライヒがヨルク・シュライヒと同等のところに立ったという意味で,象徴的な写真のように感じました.事務所経営者や大学教授というポジションの話だけではなく,作品や研究の質といった点で,父親と肩を並べて写真を撮られるだけの存在になったんだなという.
エンジニアリングの世界でも,フィロソフィーらしきものが受け継がれるというのは非常に興味深い点.師匠から弟子への技術の伝播というのは,どこにでもある話だと思うのですが,特にシュライヒのそれは他人から見ても分かりやすいものなので,これはそのうちまとめたい.
ちなみに,同僚が面倒みた学生のコンペ受賞作品も掲載されました.ドイツには未だに一橋もないエクストラドーズド橋の提案.
写真は全て以下のHPより.
http://www.dbz.de/ausgaben/dbz_2010-08_961530.html
雑誌情報
Deutsche Bauzeitschrift DBZ 08/2010
"Brücken - Ingenieurbaukultur in Deutschland"